暖かくなったり寒くなったりを繰り返す天気が続いていましたが、最近ようやく初夏の気配がしてきましたね。
このたび、弊事務所では、ニュースレターを発行することにいたしました。不定期の発行となりますが、法律改正の情報や知っておくと役立つ法律の知識をお届けしていきたいと思います。HPにも法律コラムを掲載していきます。
今回は、民事裁判のIT化に関するコラムです。
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2022年5月に成立した改正民事訴訟法に基づき、今、民事訴訟のIT化が進められています。2026年5月までに完全施行が予定されています。民事裁判のIT化で変わること、メリットとデメリットについてお伝えします。
民事裁判のIT化による3つの変化
裁判がIT化されることにより、大きく3つのことが変わります。
①紙でなく電子データでの文書提出になる
②裁判所に行くことなく、ウェブ会議システムを通じて裁判に参加することが可能になる
③裁判の記録が紙でなく電子データでの管理となる
裁判IT化のメリット
裁判がIT化されることによるメリットをいくつか挙げてみます。
・訴訟までの手間軽減
例えば、これまでの訴訟手続きでは、訴状を裁判所まで持参、もしくは郵送する必要がありました。今後はインターネットでデータ提出が可能となる予定のため、手間が軽減される見込みです。
・裁判を利用しやすくなる
これまでの裁判は基本的に必ず裁判所に出向く必要があったため、遠方にお住まいの方や時間がとりづらい人には負担の高いものでした。今後はウェブでの参加が可能になるため、交通費や時間をかけずに裁判に参加できるようになります。また、裁判の度に相手方と直接顔を合わせなくてもよくなります。これに伴い、裁判の利用もしやすくなると想定されます。
・裁判の記録が閲覧しやすくなる
今後、裁判IT化によって裁判の記録をオンラインで閲覧することができるようになる予定です。これにより、裁判所に出向くことなく記録の閲覧が可能になります。
・審議の時間の短縮
これまで民事訴訟は判決が出るまでかなりの時間を要しました。今後、IT化により判決までの時間が短くなる可能性があります。
裁判IT化のデメリット
IT化によるデメリットも指摘されています。
・セキュリティの問題
裁判に関わる記録が電子データでやりとりされるようになると、データの改ざんや当事者のなりすまし、情報の漏洩などが起こる可能性も出てきます。セキュリティ対策は継続して行っていく必要が出てくるでしょう。
・弁護士により対応の差が出る
ITに不慣れな弁護士が訴訟を担当すると裁判も従来通り裁判所に出向く必要が出てくるなど、対応の差が出ることが想定されます。
弊事務所ではご相談者様との面談もZoomなどのWEB会議システムによるIT化を促進しております。また、裁判に関わるデータもセキュリティ対策をしながらIT化を進めておりますので、安心してご活用ください。
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